3.3. インフラストラクチャ層の実装

インフラストラクチャ層では、RepositoryImplの実装を行う。

RepositoryImplは、Repositoryインタフェースで定義したメソッドの実装を行う。


3.3.1. RepositoryImplの実装

以下に、MyBatis3を使って、リレーショナルデータベース用のRepositoryを作成する方法を紹介する。


3.3.1.1. MyBatis3を使ってRepositoryを実装

リレーショナルデータベースとの永続APIとしてMyBatis3を使う場合、MyBatis3から提供されている「Mapperインタフェースの仕組みについて」を利用してRepositoryインタフェースを作成すると、基本的にはRepositoryImplを実装する必要はない。

これは、MyBatis3が、Mapperインタフェースのメソッドと呼び出すステートメント(SQL)のマッピングを自動で行う仕組みになっているためである。

MyBatis3を使用する場合、アプリケーション開発者は、

  • Repositoryインタフェース(メソッドの定義)
  • マッピングファイル(SQLとO/Rマッピングの定義)

の作成を行う。

以下に、Repositoryインタフェースとマッピングファイルの作成例を示す。
MyBatis3の使用方法の詳細は、データベースアクセス(MyBatis3編)を参照されたい。
  • Repositoryインタフェース(Mapperインタフェース)の作成例

    package com.example.domain.repository.todo;
    
    import com.example.domain.model.Todo;
    
    // (1)
    public interface TodoRepository {
        // (2)
        Todo findByTodoId(String todoId);
    }
    
    項番 説明
    (1)

    POJOのインタフェースとして作成する。

    MyBatis3のインタフェースやアノテーションなどを指定する必要はない。

    (2)

    Repositoryのメソッドを定義する。

    基本的には、MyBatis3のアノテーションを付与する必要はないが、一部のケースでアノテーションを指定する事もある。

  • マッピングファイルの作成例

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE mapper PUBLIC "-//mybatis.org/DTD Mapper 3.0//EN"
        "http://mybatis.org/dtd/mybatis-3-mapper.dtd">
    <!-- (3) -->
    <mapper namespace="com.example.domain.repository.todo.TodoRepository">
    
        <!-- (4) -->
        <select id="findByTodoId" parameterType="string" resultMap="todoResultMap">
          SELECT
              todo_id,
              title,
              finished
          FROM
              t_todo
          WHERE
              todo_id = #{todoId}
        </select>
    
        <!-- (5) -->
        <resultMap id="todoResultMap" type="Todo">
            <result column="todo_id" property="todoId" />
            <result column="title" property="title" />
            <result column="finished" property="finished" />
        </resultMap>
    
    </mapper>
    
    項番 説明
    (3)

    Repositoryインタフェース毎にマッピングファイルを作成する。

    マッピングファイルのネームスペース(mapper要素のnamespace属性)には、RepositoryインタフェースのFQCN(Fully Qualified Class Name)を指定する。

    (4)

    Repositoryインタフェースに定義したメソッド毎に実行するステートメント(SQL)の定義を行う。

    ステートメントID(各ステートメント要素(select/insert/update/delete要素のid属性)には、Repositoryインタフェースのメソッド名を指定する。

    (5)

    クエリを発行する場合は、必要に応じてO/Rマッピングの定義を行う。

    シンプルなO/Rマッピングであれば自動マッピングを利用する事ができるが、複雑なO/Rマッピングを行う場合は、個別にマッピングの定義が必要となる。

    上記例のマッピング定義は、シンプルなO/Rマッピングなので自動マッピングを利用する事もできる。